『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
本作の主人公、ケビン・コスナー演じるジョン・ダンパーもそんな中のひとりだ。
南北戦争末期、負傷した足を切断されるくらいなら死んだ方がマシと、ひとりで敵に突進していった行動が英雄視され、足を治してもらった上に好きな赴任地を選べる権利を得たダンバー。
彼が迷わず最西部を選んだのは、すでに失われつつあったフロンティアを見たかったからだけではないでしょう。
自由や解放といった美辞麗句で飾り立てながら、政治闘争の延長線でしかない戦争、先住民制圧を推し進める国策(このへん、昔から変わらないのね)にうんざりしていた彼は、現代人の感覚で言えば月面に等しい開拓最前線に赴くことで、現状からの"離脱"を試みたのです。
"涯て"は、望まずにそこに送られた者の心を蝕み、破壊するものなのかもしれない。
訪れた先の基地司令官は精神を病んでおり、最前線の砦にいるはずの前任者は行方不明になっていたが、ダンパーにはその方がよかった。
彼は荒れ果てた砦を黙々と直し、愛馬と、たまにやってくる狼だけを友にして孤独な時間を過ごす。
しかしその様子を、古くからそこに住まう者たちインディアンが見つめていました。
彼らとの出会いと交流が、ダンパーに思いもよらぬ運命の変転をもたらす。